Blenderのバージョンは4.2の時のやり方
基本的な操作
人型オブジェクトのリギング
リグを生成し、スキニングで動かしたいオブジェクト紐づけするというのが手順。
①リグの対象オブジェクトを選択し、ARPのパネルから、GetSelectedObjects を実行する。

②AddNeckなどを押すとマーカーが表示されるので配置していく。


顔もやるならAddFacialもやる。
終わったらGoを実行する。

③EditReferenceBone画面になる。
細かな位置調整を行う。
肘や膝の部分にズレが生じることがあるので、ワイヤーフレーム表示にして関節の箇所にジョイントがちゃんと来るように調整する。

終わったらMatchtoRigを実行。

④PoseModeに入るので、Ctrol+Tabでオブジェクトモードに移動。
スキニング対象のオブジェクトを選択し次にリグを選択。
ARPパネルのSkinタブを開き、Bindの箇所からBindを実行する。

⑤終わったらRigを選択してCtrol+TabでPoseModeに移動、動くか確認して動けばOK。

リグを削除
弄りすぎてぐちゃぐちゃになることがある。そういう場合は最初から作ったほうが早いので一旦リグを削除してしまう。
オブジェクト – Rigの順番で選択し、Alt+Pを押す。
ClearParentか、現在の形状維持のままならその下のClearandKeepTransformationを実行する。

そしたらアウトライナーでリグの方のコレクションを選択し右クリック、DeleteHierarchyを実行で消せる。

補助ボーンを追加する
ARPに用意されているボーンセットであれば、AddLimbの箇所から選んで配置する。自前でカスタム加えることもできる。
自分で補助ボーンを追加する
②EditReferenceBoneから編集画面に入る。
③Shift + A でボーンを出す。そしたらサイズや位置を調整する。
ミラーにする
左右対象のミラー状態にするには、とりあえず片方を出して、BonePropertiesから名前をつける。この際右側の部位なら .r 左側の部位なら .l と末尾に文字列を配置する(腕や足のボーンで命名のルールを確認できる)。
そしたらそれをShift+Dで複製して逆側に配置し、こっちに反対の名前をつける。
問題なければ左右連動して動くはず

ボーンの押し出しや分離
ボーンの先端の球体を選択してEキーを押すと、そこから新しく子ボーンを生成可能(デフォルトだと自動で親子関係が割り当てられる)。
デフォルトだとつながった状態なのでそれを分離するには分離したいボーンを選択した状態でYキーを押す(またはBonePropertiesのRelationsでConnectedの箇所のチェックを外す)
入り組んだ箇所に配置する / より精度高く配置したい
入り組んだ箇所にボーンを配置する場合、ウェイトが予期せぬ箇所に飛ぶのを極力避けるため、ボーンを相当小さめのサイズにしてやってみる。小さすぎてPoseModeで操作しづらいとなるが、PoseModeのBonePropertiesのCutomShapeの箇所で後から自由に設定可能。

またボーンの表示をStickにして配置していくのも有用


あえて離れた箇所に置いたほうがいいこともある
あとでウェイトをどうやって塗るか、ポーズの操作性などを考慮することで、ボーンをどこに配置するのが適切か変わってくる。
ARPのスキニングでシンプルにやるならピンポイントで当該の部分に配置すればよいが、自分で塗りたい場合や、自動のスキニング時にはウェイトをのせたくない場合、コントローラーとして使いたいといった場合は、オブジェクトから離して配置した方がいいこともある(ただ選択したボーンのみをスキニングするなどの方法もある)。
④この追加したボーンをどのモードで表示するか決めるため、BoneCollectionの設定を行う。
PoseModeで表示するようにしたいならMainの箇所に白丸が表示されるよう、ボーンを選択した状態でAssignをする。
Referenceは現在のEditReferenceModeで表示されるかどうかの、Deformはウェイトを塗ったりする時に使うので、だいたいこの3つのコレクションに白丸が出るようにしておく

⑤親子関係を割り当てる。それぞれのBoneCollectionで親子関係を割り当てることができるが、実際に動かす際の親子関係でいいならとりあえずDeformBoneCollection内のBoneを親にする(例えばRootボーンを親にする場合、検索するとRoot~というボーンが複数引っかかってしまう。そのうちのDeformBones内にあるRootを選ばないとちゃんと動かない。Referenceのrootではだめ)
親にするBoneの名前がわかっているならBonesPropertiesのRelations – Parent の箇所から直に割り当てるのが楽。

名前がわからない場合は、まずDeformCollectionが表示されるようにする。
デフォルトの状態だと表示されているのはReferenceCollection(星マークが白くなっている。これはこのコレクションのみを表示するという状態)

これをDeformBoneが表示されるよう、下のように変える。

ちゃんとDeformBonesのみが表示されたら、あとは新しく出したカスタムボーン(子要素) – 親にしたいボーンの順に選択して Ctrol+P – KeepOffsetを実行する。終わったらCollectionの表示をもとに戻しておく。
ちゃんと親子関係が設定されれば、ボーン間が黒い点線で繋がれる。また当該ボーンを選択してBoneProperties – Relations – Parentの箇所を見ても確かめることが可能。

⑥MatchtoRigを実行しPoseModeに移動する。ちゃんと表示されていればあとはウェイトなりを整えていく。
BreastBone
奥のボーンは胸の付け根あたりに配置し、手前のボーンは胸の中央に配置する(横から見ても真ん中にくるように)
スキニング・ウェイト系
選択したボーンだけスキニングする
①Deformボーンを表示する。

②そしたらリグを選択した状態でTabキーでEditModeに入り(PoseModeではない!)、スキニングの対象にしたいボーンを選択する。終わったらTabで出る。
③ARPのパネルでSelectBonesOnlyにチェックを入れる。
あとはオブジェクト – Rigの順番で選択してBindを実行する。

選択した頂点だけスキニング
①オブジェクトを選択してEditModeに入り、スキニングしたい箇所を選択する。
②SelectedVerticesOnlyをアクティブにする。

③オブジェクト-Rigの順番で選択してBindを実行する。
選択したボーンに選択した頂点のみをスキニング
①Deformボーンを出して、リグを選択してEditModeに入り対象ボーンを選択する。
②オブジェクトを選択してEditModeに入り、対象領域を選択していく(調整を繰り返すなら頂点グループを使うと能率的)
③オブジェクト -Rigの順番で選択して、SelectBonesOnlyとSelectedVerticesOnlyにチェックを入れBindする。

個別の事例
膝がグチャッとなる問題・膝のリグ
デフォルトでも軽く曲げる程度だと問題はないが、正座くらいに曲げようとするとグチャッとなる。

対処法としては①トポロジーの改良②補助ボーンを入れる③シェイプキーで調整など。
ARPにはKneeのオプションがあるので使ってみる。
ARPのKneeオプション
リグを選択してEditReferenceBonesを実行する。

太もものボーンを選択してLimbOptionsを実行する。

JointsFansという箇所をアクティブにし、Kneeの箇所に数値を割り当てる(1とか2)
(Thighの方の数値をいれると足の付根にも同じような補助リグを生成可能)

もう片方の太ももでも同じ操作を実行する。
終わったらMatchtoRigを行う。そうすると膝用のパーツが追加されている。
あとはスキニングをやり直して動くか確かめる。

正座はきついかもしれないが、これでちょっとした膝グチャ問題なら対処できる

まぶたがきれいにならない問題
まぶたのコントロールは難しい。特に2Dキャラで、目のサイズがリアルな人間よりも大きめだったりすると、設定を弄らずにうまくいくことはほぼない。
対処法としてはいっそシェイプキーを併用するというものと、ARPでのリギングとウェイトペイントの精度をあげるというものがまずある。
目のボーンを増やすして精度を上げる
①EditReferenceBone
②頭のボーンを選択して、LimbOptionsパネルを開く。

③EyelidsAmountなどが、デフォルトだと3でその下のMastersFreqが1とか。その数を増やす。画像だと倍にしている。

④スナップ機能をアクティブにして、配置を修正していく
特にアニメ風の目だと目の両端がおかしくなることが多いので丁寧に配置する。足りないと思ったら数を増やす。

これくらいやればそうとう精度がたかくなる。

⑤これでMatchtoRigを実行するとマスターコントローラーが生成される。

⑥スキニングでウェイトをつける
⑦WeightPaintModeで修正する。
リグを選択してDeformボーンを表示させる(MainやSecondaryはじゃまになるので非表示してもよいが、出したままにしておくと動かしながら塗ったりもできるので利点もある)

リグ – オブジェクトの順に選択してCtrol+TabでWeightPaintModeに入る。
⑦アニメ風だと顔の横やほほ、おでこにまでウェイトがのってしまっていることがよくある。まずこれらを消す。

ウェイトペイントモードでTabキーでEditModeに入り、まぶた以外の箇所を選択した状態にする

Tabキーで戻って、まぶたのボーンをCtrol + Shiftを押しながらクリックして選択する。
そしたら上の方にあるボタンでPaintMaskをアクティブにする(このボタンのオンオフを繰り返すことになるので、このボタンの上で右クリックしてQuickFavoriteに登録しておくと作業が捗る)。

まぶたにマスクがかかるので、それ以外の箇所の余分なウェイトを消していく。ブラシモードはSubtract


⑧次のボーンに移るには、PaintMaskボタンを押して(それかその横にあるBoneSelectionボタンを押す)マスクを解除してからボーンを選択しないといけないので注意(QuickFavoriteに入れておくとQキーで少し楽になる)
ウェイトを塗り直す
まぶただけ塗り直していくという正攻法。
ARPのスキニングだと耳の方にまでウェイトがのってしまうことがある。そういう場合は一旦まぶた関連のウェイトを全消ししてやった方が楽かもしれない。
消すには、人物オブジェクトをを選択して、VertexGroupを開き、Eyelid_ などで検索する。あとはマイナスアイコンで消していく。

リグを選択して、DeformBonesを表示させ、リグ -人物の順で選択してCtrol+TabでWeightPaintModeに入る(Mainが邪魔なら非表示にしても良いが、Mainを出しておくとボーンを動かしながら塗り調整が捗る)

ウェイトを消ししたらこんな色

余計な箇所にウェイトが飛ばないよう、TabキーでEditModeに入り、目の周り、まぶたとして動かしたい箇所プラスαだけを選択してTabで戻る

そしたら塗っていきたいボーンを選択し、ペイントマスク機能をアクティブにする。(このアイコンの上で右クリックしてQuickFavorite機能に登録しておくと作業が捗る)

いっこずつ塗っていく。

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